学術・文化系在留資格まとめ|教授・芸術・宗教・報道・文化活動・研修

2026年10月11日 (更新: 2026年10月11日) | 今村 文宣(行政書士)

学術・文化系在留資格まとめ|教授・芸術・宗教・報道・文化活動・研修

教授・芸術・宗教・報道・文化活動・研修の6つの在留資格は、学術研究や芸術創作、宗教活動、報道取材、日本文化の修得、技能等の修得といった活動を行う外国人の方を対象とする在留資格です。それぞれ、対象となる活動と提出書類が異なります。

6つとも、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)の別表第一に定められています。在留資格の全体像は「日本のビザ(在留資格)全29種類一覧」をあわせてご覧ください。

なお、在留資格の変更・在留期間の更新の手数料は、2026年10月1日に改定されました。額は許可される在留期間などによって決まります。最新の金額は出入国在留管理庁の「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」でご確認ください。

教授

在留資格「教授」は、日本の大学等で研究・研究の指導・教育を行う外国人の方のための在留資格です。入管法別表第一の一の表に規定されており、上陸許可基準(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令。以下「基準省令」)は設定されていません。

該当する活動

「本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動」が対象です(入管法別表第一の一の表)。出入国在留管理庁は、該当例として「大学教授など」を挙げています(在留資格「教授」)。

在留資格の名称は「教授」ですが、条文は職名ではなく、活動の場所と内容(研究、研究の指導または教育)で対象を定めています。

活動場所の範囲

「教授」で認められる活動の場所は、大学・大学に準ずる機関・高等専門学校に限られます。これに対し、在留資格「研究」は「本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動」(「教授」に該当する活動を除く)を対象としています(入管法別表第一の二の表)。

在留期間

在留期間は、5年、3年、1年または3か月です。

提出書類のポイント

提出書類は、常勤職員として勤務する場合(カテゴリー1)と非常勤職員として勤務する場合(カテゴリー2)で異なります。常勤職員は、申請書・写真などの共通書類のほかは原則として資料が不要とされています。非常勤職員は、大学等における活動の内容・期間・地位・報酬を証明する文書を提出します。非常勤職員の更新申請では、住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書を提出します(常勤から非常勤に変わった方は、活動の内容等を証明する文書も提出します)。

資格外活動の注意点

「教授」の在留資格で在留する方が、大学等での研究・教育に当たらない活動で報酬を受ける場合(たとえば企業での語学指導や翻訳)は、あらかじめ資格外活動許可を受ける必要があります(入管法第19条)。

芸術

在留資格「芸術」は、日本で収入を伴う芸術上の活動を行う外国人の方のための在留資格です。入管法別表第一の一の表に規定されており、基準省令は設定されていません。

該当する活動

「収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動」が対象です。ただし、在留資格「興行」に該当する活動は除かれます(入管法別表第一の一の表)。出入国在留管理庁は、該当例として「作曲家、画家、著述家など」を挙げています(在留資格「芸術」)。

「芸術上の活動」の範囲

条文は「音楽、美術、文学その他の芸術上の活動」と定めており、音楽・美術・文学は例示です。

在留資格「文化活動」の「我が国特有の」や、「技術・人文知識・国際業務」の「外国の文化に基盤を有する」のような限定は、「芸術」の条文には付されていません。

「芸術」と「文化活動」の違い

芸術上の活動は、収入を伴えば「芸術」、収入を伴わなければ「文化活動」の対象になります。また、興行(コンサート、演劇公演など)に該当する活動は、在留資格「興行」の対象です。

在留期間

在留期間は、5年、3年、1年または3か月です。

提出書類のポイント

在留資格認定証明書交付申請では、活動の内容・期間・地位・報酬を証明する文書(契約に基づかない場合は、活動の内容・期間・収入の見込額を記載した文書)に加え、芸術活動上の業績を明らかにする資料として、芸術上の活動歴を詳しく書いた履歴書と、次のいずれかを提出します。

  • 関係団体からの推薦状
  • 過去の活動に関する報道
  • 入賞・入選等の実績
  • 過去の作品等の目録
  • これらに準ずるもの

更新申請では、活動の内容等を証明する文書と、住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書を提出します。

宗教

在留資格「宗教」は、外国の宗教団体から日本に派遣された宗教家が布教その他の宗教上の活動を行うための在留資格です。入管法別表第一の一の表に規定されており、基準省令は設定されていません。

該当する活動

「外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動」が対象です(入管法別表第一の一の表)。出入国在留管理庁は、該当例として「外国の宗教団体から派遣される宣教師など」を挙げています(在留資格「宗教」)。

主要な要件

条文上、「外国の宗教団体により本邦に派遣された」宗教家であることが要件です。このため、申請では派遣元の宗教団体との関係を書類で示すことになります。

在留期間

在留期間は、5年、3年、1年または3か月です。

提出書類のポイント

  • 外国の宗教団体からの派遣状等の写しなど、派遣機関からの派遣期間・地位・報酬を証明する文書
  • 派遣機関および受入機関の概要(宗派、沿革、代表者名、組織、施設、信者数等)を明らかにする資料
  • 宗教家としての地位および職歴を証明する文書(派遣状等に記載がある場合は不要)

更新申請では、派遣の継続を証明する文書と、住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書を提出します。

報道

在留資格「報道」は、外国の報道機関との契約に基づいて取材その他の報道上の活動を行う外国人の方のための在留資格です。入管法別表第一の一の表に規定されており、基準省令は設定されていません。

該当する活動

「外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動」が対象です(入管法別表第一の一の表)。出入国在留管理庁は、該当例として「外国の報道機関の記者、カメラマンなど」を挙げています(在留資格「報道」)。

出入国在留管理庁の提出書類の案内は、活動の形態を次の3つに分けています。

  1. 外国の報道機関から派遣される場合
  2. 外国の報道機関に日本で雇用される場合
  3. 外国の報道機関等との雇用以外の契約に基づいて活動する場合(フリーランサー等)

いずれの場合も、外国の報道機関との契約に基づく活動であることが必要です。

外国記者登録証による区分

提出書類は、外務省報道官から外国記者登録証を発行された者を雇用する外国の報道機関に雇用される場合(カテゴリー1)と、それ以外の場合(カテゴリー2)で異なります。カテゴリー1は、その報道機関が登録証を発行された社員を雇用していることを証明する文書を提出します。カテゴリー2は、活動の内容等を明らかにする資料と、外国の報道機関の概要を明らかにする資料を提出します。

在留期間

在留期間は、5年、3年、1年または3か月です。

文化活動

在留資格「文化活動」は、収入を伴わない学術・芸術上の活動や、日本特有の文化・技芸の研究・修得を行う外国人の方のための在留資格です。入管法別表第一の三の表に規定されており、基準省令は設定されていません。

該当する活動

「収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動」が対象です。ただし、在留資格「留学」「研修」に該当する活動は除かれます(入管法別表第一の三の表)。出入国在留管理庁は、該当例として「日本文化の研究者等」を挙げています(在留資格「文化活動」)。

この活動は、条文上、次の3つに分けられます。

  1. 収入を伴わない学術上または芸術上の活動
  2. 我が国特有の文化または技芸についての専門的な研究
  3. 専門家の指導を受けて我が国特有の文化または技芸を修得する活動

収入の有無による在留資格の分岐

活動内容収入を伴う収入を伴わない
芸術上の活動「芸術」(興行に該当するものは「興行」)「文化活動」
教育機関で教育を受ける活動—「留学」(「文化活動」からは除かれます)

「文化活動」の在留資格で在留する方は、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動を行うことができません(入管法第19条第1項第2号)。行う場合は、あらかじめ資格外活動許可が必要です。

専門家の指導を受ける場合

日本特有の文化・技芸を修得する場合は、条文上「専門家の指導を受けて」修得することが要件です。申請では、指導を行う専門家の経歴および業績を明らかにする資料を提出します。

在留期間

在留期間は、3年、1年、6か月または3か月です。

経費支弁能力の立証

「文化活動」は収入を伴わない活動であるため、申請では日本に在留した場合の経費支弁能力を証する文書を提出します。

  • 本人が経費を支弁する場合: 給付金額および給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書、本人名義の預金残高証明書など
  • 本人以外の方が経費を支弁する場合: 経費負担者の住民税の課税(または非課税)証明書・納税証明書。経費負担者が外国にいる場合は、その方の名義の預金残高証明書など

研修

在留資格「研修」は、日本の公私の機関に受け入れられて技能等の修得をする外国人の方のための在留資格です。入管法別表第一の四の表に規定されており、本記事で取り上げる6つの在留資格の中で唯一、上陸許可基準(基準省令)が設定されています。

該当する活動

「本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動」が対象です。ただし、在留資格「技能実習」(第1号)および「留学」に該当する活動は除かれます(入管法別表第一の四の表)。

「技能等」とは、入管法上、技能、技術または知識を指します。

基準省令の主な要件

「研修」には、基準省令で次の基準が定められています。

  1. 反復作業でない技能修得: 修得しようとする技能等が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと
  2. 年齢・帰国後の予定: 18歳以上であり、帰国後に日本で修得した技能等を要する業務に従事することが予定されていること
  3. 修得困難性: 申請人が住所を有する地域では修得することが不可能または困難な技能等であること
  4. 研修指導員: 受入れ機関の常勤の職員で、当該技能等について5年以上の経験を有する者の指導の下で行われること
  5. 実務研修を含む場合の条件: 実務研修が含まれる場合は、国・地方公共団体の機関や独立行政法人が自ら実施する研修、独立行政法人国際協力機構(JICA)等の事業として行われる研修、国際機関の事業として行われる研修など、基準省令が定める場合のいずれかに該当すること
  6. 帰国担保措置: 受入れ機関またはあっせん機関が研修生の帰国旅費の確保その他の帰国担保措置を講じていること
  7. 記録の保存: 受入れ機関が研修の実施状況に係る文書を作成し、事業所に備え付け、研修の終了の日から1年以上保存することとされていること
  8. 実務研修の時間の上限: 実務研修の時間が研修時間全体の3分の2以下であること(基準省令が定める場合は4分の3以下または5分の4以下)

受入れ機関の体制が求められる場合

上記5の類型のうち、国等の資金により主として運営される事業として行われる研修など一部の類型では、受入れ機関が次のいずれにも該当することが求められます。

  • 研修生用の宿泊施設を確保していること(あっせん機関が確保している場合を含む)
  • 研修生用の研修施設を確保していること
  • 生活の指導を担当する職員を置いていること
  • 研修中の死亡・負傷・疾病に備えた保険への加入その他の保障措置を講じていること
  • 研修施設について労働安全衛生法の規定する安全衛生上必要な措置に準じた措置を講じていること

在留期間

在留期間は、1年、6か月または3か月です。ただし、外国で医師などに相当する資格を持つ方が、陽子線・重イオン線の治療装置(診療用粒子線照射装置)に係る知識・技能を修得する場合などで、本国の所属機関から業務の一環として派遣されるときは、2年も含まれます(入管法施行規則別表第二)。

提出書類は、出入国在留管理庁の在留資格「研修」のページに掲載されています。

技能実習・育成就労との関係

「研修」の活動からは、在留資格「技能実習」(第1号)に該当する活動が除かれています。なお、令和6年法律第60号により、技能実習制度に代わる育成就労制度が創設されました。同法は、一部の規定を除き2027年4月1日施行予定です(出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」)。

短期滞在との違い

上記6つの在留資格に該当する活動の一部は、在留資格「短期滞在」でも行えるように見える場合があります。両者は、活動の内容と期間、報酬の有無で区別されます。

短期滞在で認められる活動の範囲

短期滞在は、「本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」を対象とする在留資格です(入管法別表第一の三の表)。在留期間は90日、30日または15日などです(在留資格一覧表)。

短期滞在の在留資格では、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動は認められていません(入管法第19条第1項第2号)。ただし、業として行うものではない講演に対する謝金などは、ここでいう「報酬」から除かれています(入管法第19条第1項、出入国管理及び難民認定法施行規則第19条の3)。

整理

判断要素短期滞在教授~研修の在留資格
活動期間短期間(在留期間は90日・30日・15日など)在留期間は3か月から最長5年(在留資格による)
報酬・収入受けられない(業として行うものではない講演の謝金などを除く)教授・芸術・宗教・報道は在留資格の活動として可/文化活動・研修は不可

当事務所の見解

次の整理は、条文に照らした当事務所の見解です。個別の事情によって判断が分かれることがありますので、迷う場合は事前にご確認ください。

  • 短期の文化体験: 短期間の講習や見学は「短期滞在」の活動に当たります。専門家の指導を受けて日本特有の文化・技芸を継続して修得する場合は、「文化活動」を検討することになります
  • 学会・会合への参加: 短期間の会合への参加は「短期滞在」の活動に当たります。大学での継続的な研究・教育活動は「教授」の対象です
  • 短期の取材: 日本に滞在して外国の報道機関との契約に基づく報道上の活動を継続して行う場合は、「報道」を検討することになります

6つの在留資格の比較

在留資格収入・報酬在留期間
教授在留資格の活動の範囲で可5年・3年・1年・3か月
芸術在留資格の活動の範囲で可5年・3年・1年・3か月
宗教在留資格の活動の範囲で可5年・3年・1年・3か月
報道在留資格の活動の範囲で可5年・3年・1年・3か月
文化活動不可3年・1年・6か月・3か月
研修不可1年・6か月・3か月(一部の臨床修練は2年も)

ポイント:

  • 基準省令(上陸許可基準)が定められているのは「研修」だけです
  • 教授・芸術・宗教・報道・文化活動の在留資格で在留する方の扶養を受ける配偶者・子は、在留資格「家族滞在」の対象です。「研修」は「家族滞在」の対象に含まれていません(入管法別表第一の四の表)

当事務所のサポート

AEGIS国際行政書士事務所は、申請取次行政書士として、学術・文化系の在留資格の申請をサポートしております。

  • 在留資格の確認: 予定している活動がどの在留資格に当たるか、短期滞在で足りるかを整理いたします
  • 申請書類一式の作成・提出代行: 在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更・在留期間更新の申請手続を代行いたします
  • 受入れ機関の方へのご案内: 大学・宗教団体・報道機関・研修の受入れ機関が用意する書類をご案内いたします

学術・文化系の在留資格についてご不明な点がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。


本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件に対する法的助言ではありません。

本記事は2026年10月11日時点の法令・公表情報に基づいています。改正や運用の変更があるため、申請の際は最新の情報をご確認ください。

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