資格外活動許可とは|留学生・家族滞在のアルバイトと28時間の上限
2026年10月5日 (更新: 2026年10月11日) | 今村 文宣(行政書士)
資格外活動許可とは、留学生や家族滞在の方など、就労が認められていない(または限られている)在留資格の外国人の方が、アルバイトなど在留資格の範囲外で収入や報酬を得る活動をするために、あらかじめ受けなければならない許可です。根拠は出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)第19条第2項で、許可を受けずに働くと、本人だけでなく雇った側も処罰の対象になります。
留学生のアルバイトの多くは「包括許可」で、1週について28時間以内(留学生は長期休業期間中に限り1日8時間以内)が上限です。
在留資格の全体像は「在留資格の種類一覧」もあわせてご参照ください。
資格外活動許可とは
資格外活動許可は、今の在留資格で行える活動のほかに、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行うための許可です。出入国在留管理庁長官が、本来の活動の遂行を妨げない範囲で、相当と認めるときに許可することができます(入管法第19条第2項)。
入管法第19条第1項は、別表第一の在留資格(「留学」「家族滞在」「技術・人文知識・国際業務」など、活動の内容で決まる在留資格)で在留する方が、許可を受けずに在留資格の範囲外で収入や報酬を得る活動をすることを禁じています。「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」は、同項第2号により、許可が無ければ収入や報酬を得る活動そのものができません。
一方で、別表第二の在留資格(「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」)は就労活動に制限がないため、資格外活動許可の対象ではありません(出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」)。
許可が要らない報酬
次の報酬は、出入国管理及び難民認定法施行規則(以下「入管規則」)第19条の3で、許可の対象となる「報酬」から除かれています。
- 業として行うものではない講演・講義、助言・鑑定、著作物の制作、催物への参加や放送番組への出演などに対する謝金・賞金
- 親族・友人・知人の依頼を受けて、業としてではなく日常の家事を手伝うことに対する謝金
- 大学、または高等専門学校の第4学年・第5学年・専攻科に在籍する留学生が、その学校との契約に基づいて行う教育・研究の補助に対する報酬
包括許可と個別許可の違い
資格外活動許可には、勤務先を特定しない「包括許可」と、勤務先や仕事の内容を特定する「個別許可」があります。包括許可は時間の上限などの条件を守れば勤務先を変えても許可を取り直す必要がなく、個別許可は許可された勤務先・内容でしか働けません。
| 区分 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 包括許可 | 1週28時間以内などの条件付きで、勤務先・業務内容を指定しない | 入管規則19条5項1号・2号 |
| 個別許可 | 勤務先の名称・所在地・業務内容などを個々に指定する | 入管規則19条5項3号 |
包括許可と個別許可の両方を受けることもでき、どちらかを持っている方が、もう一方を追加で申請することもできます(出入国在留管理庁「「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について」)。
包括許可の対象
包括許可を受けられるのは、主に次の方です。
- 「留学」の在留資格の方
- 「家族滞在」の在留資格の方、および外国人の扶養を受ける配偶者・子などとして「特定活動」を指定されている方
- 大学などを卒業し、就職活動を続けるための「特定活動」で在留している方で、卒業した教育機関の推薦状に資格外活動許可についての記載がある方
- 地方公共団体などに雇用されている「教育」「技術・人文知識・国際業務」「技能」(スポーツ指導に限ります)の方が、地方公共団体などとの雇用契約に基づいて、これらの在留資格に当たる活動を1週28時間以内で行う場合(入管規則19条5項2号)
包括許可における「事業を運営する活動」には、雇用契約書などで従事する時間が明確な管理者などとしての活動のほか、個人事業主として配達などを受注し、成果に応じて報酬を得る活動で、稼働時間を客観的に確認できるものが含まれます。
個別許可が必要になる場合
留学生の場合、次のような活動は包括許可の範囲外で、個別許可が必要です。
- インターンシップ: 卒業に必要な単位をほぼ修得した大学4年生や、修士2年・博士3年の大学院生が、就職活動の一環として行う職業体験で、1週28時間を超えるもの
- 稼働時間を客観的に確認しにくい活動: 個人事業主としての活動や、標準的な労働時間が明確でない業務委託契約・請負契約による活動
- 起業の準備活動: 日本での起業を目的とした準備活動
なお、資格外活動として認められる事業の運営は、単独で行う比較的小規模なものが想定されています。法人を設立する、従業員を雇う、事業所を設けるといった場合は、「経営・管理」の在留資格への変更が必要になります。
家族滞在の方の個別許可は、資格外活動に従事する期間が、決定されている在留期間の過半を超えないことも要件です。活動の内容や契約の内容から、在留目的が実質的に変わったと判断される場合は、在留資格の変更が必要になります(出入国在留管理庁「「家族滞在」の在留資格に係る資格外活動許可について」)。
働ける時間の上限と例外
包括許可で働ける時間は1週について28時間以内です。留学生に限り、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間(夏休み・冬休みなど)は、1日について8時間以内まで働くことができます(入管規則19条5項1号)。
| 在留資格 | 通常の期間 | 長期休業期間 |
|---|---|---|
| 留学 | 1週28時間以内 | 1日8時間以内 |
| 家族滞在など | 1週28時間以内 | 例外なし |
長期休業期間の例外は留学生だけに適用され、家族滞在の方には適用されません。また、個別許可を受けている場合は、時間などの条件が許可の証印または資格外活動許可書に記載されていますので、その記載に従います(出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」 Q65・Q66)。
勤務先が複数ある場合について、出入国在留管理庁は、家族滞在の方が遊技場で働くための個別許可(後述)について「全ての資格外活動に係る活動時間の合計が1週について28時間以内であることが必要」と明記しています。当事務所は、28時間は勤務先ごとではなく本人の活動全体に付く条件と考えており、掛け持ちをする場合は合計時間で管理することをお勧めしています。
認められない仕事
包括許可では、風俗営業・店舗型性風俗特殊営業・特定遊興飲食店営業が営まれている営業所での活動は、仕事の内容を問わず認められていません。無店舗型性風俗特殊営業などに従事する活動も同じです(入管規則19条5項1号)。
ここでいう風俗営業は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)第2条第1項に定める営業で、キャバレーなど客の接待をして遊興・飲食をさせる営業、照度の低いバーや喫茶店、麻雀店・パチンコ店などが含まれます。規則は「営業所において行うもの」を除いているため、接客ではなく清掃や調理補助であっても、その営業所で働くことは包括許可の範囲に含まれません。
また、資格外活動許可の一般原則として、法令に違反すると認められる活動は許可されず、契約に基づく在留資格(就労系の在留資格など)の方の場合は、所属先の機関が資格外活動に同意していることが必要です(出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」)。
家族滞在の方の遊技場での就労(2026年10月1日から)
2026年10月1日から、「家族滞在」の在留資格の方に限り、個別許可を受ければ、ぱちんこ店などの遊技場営業店舗で働くことが認められるようになりました。対象は家族滞在の方だけで、留学生や、扶養を受ける配偶者・子として「特定活動」で在留する方は対象外です(出入国在留管理庁「遊技場営業店舗における資格外活動許可について」)。
この個別許可には、勤務先が風営法第2条第1項第4号・第5号の営業の許可を受けていること、勤務先が作成した誓約書(外国人雇用に関する法令の遵守、複数の資格外活動を行う場合の合計時間の定期的な確認など)を提出することなどが求められます。
申請の方法と必要書類の考え方
申請は、原則として住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に、申請書と活動の内容を明らかにする書類を提出し、在留カードと旅券を提示して行います(入管規則19条1項・2項)。どの書類が必要かは、在留資格と、包括許可・個別許可のどちらを申請するかで変わります。
| 申請の種類 | 主な書類 |
|---|---|
| 留学・家族滞在の包括許可 | 申請書のみ |
| インターンシップの個別許可 | 申請書、受入れ先の証明書または契約書、在学証明書、単位の修得状況が分かる書類 |
| その他の個別許可 | 申請書、活動の内容・時間・報酬などを説明する文書 |
詳しい書類は在留資格ごとに出入国在留管理庁のページで案内されており、就職活動中・内定後の「特定活動」の方は「継続就職活動又は内定後就職までの在留を目的とする「特定活動」の在留資格に係る資格外活動許可について」で確認できます。審査の過程で、ほかの資料を求められることもあります。
申請できる人・申請の時期
- 申請する人: 本人のほか、法定代理人、申請等取次者として承認を受けた受入れ機関などの職員、地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士・行政書士が、本人に代わって申請書類を提出できます。地方出入国在留管理局長が相当と認める場合で、本人が日本にいることが必要です(入管規則19条3項)
- 時期: 在留資格の範囲外の活動を始める前に申請し、許可を受けてから働き始めます
- 手数料・処理期間: 2026年10月時点で、出入国在留管理庁は、手数料はかからず、標準処理期間は2週間〜2か月としています
新規入国時とオンライン申請
「留学」の在留資格で新しく上陸の許可を受けた方(在留期間「3月」を除きます)は、上陸の許可に引き続いて、空港などの出入国港で包括許可を受けることができます。
オンラインでの資格外活動許可申請は、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請・在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限られます(出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」のページ)。
許可の確認方法
許可は、旅券に貼る証印シールか、資格外活動許可書の交付によって行われます。中長期在留者の場合は、在留カードの裏面にも許可の要旨が記載されます(入管規則19条4項)。包括許可の場合、証印シールなどの「新たに許可された活動内容」には「出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項第1号に規定する活動」のように記載されます。
許可を受けずに働いた場合
許可を受けずに在留資格の範囲外で働くと、本人は刑事罰の対象になり、場合によっては退去強制の対象にもなります。雇った側も不法就労助長罪に問われます。許可の条件(時間の上限など)に違反した場合は、許可が取り消されることがあります(入管法第19条第3項)。
本人への影響
| 状況 | 法律上の扱い |
|---|---|
| 許可なく範囲外の活動をした | 1年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、または併科(入管法73条) |
| 範囲外の活動を専ら行っていると明らかに認められる | 3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または併科(入管法70条1項4号)。退去強制の対象(同法24条4号イ) |
入管法第73条の罪で拘禁刑に処せられた場合も、退去強制の対象になります(入管法第24条第4号ヘ)。また、資格外活動許可の要件には「素行が不良ではないこと」が含まれるため、違反の事実はその後の申請にも影響しうると当事務所は考えています。
雇用する企業様への影響
事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科の対象です(入管法第73条の2第1項)。2027年4月1日からは、令和6年(2024年)法律第60号による改正で、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科に引き上げられる予定です。
- 知らなかったでは済まない: 外国人の活動が在留資格の範囲外であること、資格外活動許可を受けていないことを知らなかったとしても、過失がない場合を除き、処罰を免れることはできません(入管法第73条の2第2項)
- 法人も罰せられる: 従業員が業務に関して不法就労をさせた場合、行為者のほか、法人にも罰金刑が科されます(入管法第76条の2)
- 雇う側が外国人の場合: 不法就労活動をさせた外国人は、退去強制の対象にもなります(入管法第24条第3号の4)
雇用の前には、在留カードで在留資格と在留期限を確認し、「留学」や「家族滞在」の方であれば、在留カード裏面の資格外活動許可欄と、証印シールまたは資格外活動許可書を確認してください。許可がある場合も、就労時間と活動内容に制限があります(出入国在留管理庁 Q&A Q67)。
卒業後・在留資格を変えたあとの扱い
留学生の包括許可は、教育機関に在籍している間に限り有効です。卒業後は、在留期限が残っていてもアルバイトをすることは認められません(入管規則19条5項1号、出入国在留管理庁 Q&A Q45)。
卒業後に就職活動を続ける場合
大学などを卒業し、就職活動を続けるための「特定活動」に在留資格を変更した方は、卒業した教育機関の推薦状に資格外活動許可についての記載があり、在留状況などに問題がなければ、包括許可を受けることができます。記載がない場合は個別に判断されます(出入国在留管理庁 Q&A Q46)。
就職して在留資格を変更した場合
「技術・人文知識・国際業務」など就労の在留資格に変更したあとは、その在留資格で認められた業務として働きます。本業とは別に、在留資格に当たらない副業などで報酬を得る場合は、あらためて資格外活動許可を受けるか、該当する在留資格に変更する必要があります(出入国在留管理庁 Q&A Q67)。就労の在留資格の要件は「就労ビザガイド」と「技術・人文知識・国際業務ビザガイド」で解説しています。
在留期間の更新・在留資格の変更のとき
出入国在留管理庁の資格外活動許可書の見本では、許可の期限が在留期間の満了日と同じ日になっています。在留期間の満了日までに更新・変更の申請をして審査中の場合(入管法第20条第6項の特例期間。更新の申請は第21条第4項で同じ扱い)は、同項に定める時までとされています。このため、在留期間の更新を受けたあとも働き続ける場合は、あらためて許可を受ける必要があります。
在留資格を変更する場合も、許可書には許可を受けたときの在留資格が記載されています。当事務所は、変更後も働き続ける場合は、変更の申請と同時に資格外活動許可も申請し、許可の空白期間をつくらないことをお勧めしています。
当事務所のサポート
AEGIS国際行政書士事務所では、留学生や家族滞在の方の資格外活動許可と、雇用する企業様の確認作業をサポートしております。
- 許可の種類の判断: 予定している仕事が包括許可で足りるか、個別許可が必要か、在留資格の変更が必要かを整理いたします
- 申請書類の作成・提出: 申請取次行政書士として、申請書と活動内容の説明書類を作成し、出入国在留管理局への提出を代行いたします
- 更新・変更との同時申請: 在留期間更新や在留資格変更とあわせて、資格外活動許可の申請を準備いたします
- 企業様の雇用前の確認: 在留カードと許可の内容から、予定している業務・時間で雇用できるかの確認をお手伝いいたします
アルバイトや副業を始める前に、また外国人の方の採用を検討する際に、まずはお気軽にご相談ください。
本記事は2026年10月11日時点の法令・公表情報に基づいています。改正や運用の変更があるため、申請の際は最新の情報をご確認ください。