特定活動ビザとは|50以上の類型を行政書士が整理
2026年10月5日 (更新: 2026年10月16日) | 今村 文宣(行政書士)
在留資格「特定活動」は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)別表第1の5に定められた在留資格で、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」を行うために付与されます。ワーキング・ホリデー、デジタルノマド、経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者など、他の在留資格に分類されない多様な活動を包括しており、告示で定められた類型だけでも50以上が存在します。
在留資格の全体像については「在留資格の種類一覧」をご参照ください。
特定活動とは
在留資格「特定活動」は、法務大臣が個々の外国人ごとに活動内容を指定して付与する在留資格です。「経営・管理」や「技術・人文知識・国際業務」のように活動内容が法律の別表で具体的に定められた在留資格とは、この点が異なります。
あらかじめ定める活動の類型は法務省の告示で定められているため、法律の改正を経ずに新しい類型が追加されます。たとえば2023年4月には未来創造人材制度(J-Find)が導入されました(後述)。
在留期間は、5年、3年、1年、6か月、3か月、または法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)のいずれかです(出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』」)。具体的な在留期間は類型ごとに異なります。
法的根拠
「特定活動」の根拠は以下のとおりです。
- 入管法別表第1の5: 在留資格「特定活動」の定義
- 特定活動告示(平成2年法務省告示第131号): あらかじめ定める活動の類型を列挙
- 入管法7条1項2号: 上陸のための条件として、別表第1の5の活動は「法務大臣があらかじめ告示をもつて定める活動に限る」と規定
告示特定活動と告示外の違い
「特定活動」は、特定活動告示に定めのある告示特定活動と、告示に定めのない告示外特定活動に分けて呼ばれ、入国の可否と手続が異なります。
告示特定活動
特定活動告示(平成2年法務省告示第131号)に活動内容が列挙されているものです。告示は改正が重ねられており、令和8年4月8日の改正時点で第58号までが定められています(削除された号があります)。
告示に定める活動は、入管法7条1項2号の上陸のための条件に当たり得るため、在留資格認定証明書の交付申請を経て海外から新規に入国する道があります。ただし、デジタルノマドのように、在外公館での査証申請を案内されている類型もあります。
告示外特定活動
特定活動告示に列挙されていないものの、個別の事情に基づいて法務大臣が活動を指定するものです。
入管法7条1項2号は、上陸のための条件に当たる「特定活動」を告示で定める活動に限っています。そのため、告示に定めのない活動は、すでに日本に在留している方が在留資格変更許可申請などによって指定を受ける形になります。
告示に定めのない活動のうち、次のものは、出入国在留管理庁が対象者と提出書類を公表しています。
- 大学等を卒業した留学生が、卒業後も就職活動を続ける場合(継続就職活動)
- 就職先が内定し、採用までの滞在を希望する場合
- 大学等を卒業した留学生が起業活動を行う場合
- 在留資格「特定技能1号」への移行を希望する場合
| 項目 | 告示特定活動 | 告示外特定活動 |
|---|---|---|
| 根拠 | 特定活動告示に列挙 | 告示に定めがなく、個別に指定 |
| 上陸のための条件(入管法7条1項2号) | 当たり得る | 当たらない |
| 主な手続 | 在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請など | 在留資格変更許可申請など |
主な類型一覧
告示で定められた主な類型を、分野別に整理します。号番号と略称は、出入国在留管理庁の特定活動告示の一覧(2025年5月現在)と告示の本文(最近改正 令和8年4月8日)に基づいています。
就労・研修に関するもの
| 類型 | 告示番号 | 概要 |
|---|---|---|
| ワーキング・ホリデー | 5号、5号の2 | 休暇を過ごす活動と、旅行資金を補うための就労 |
| インターンシップ | 9号 | 外国の大学の学生が、教育課程の一部として報酬を受けて行う実習 |
| サマージョブ | 12号 | 外国の大学の学生が、授業の無い期間(3か月以内)に行う就労 |
| EPA看護師・介護福祉士関係 | 16号〜24号、27号〜31号 | 経済連携協定等に基づく候補者と、資格取得者の家族(インドネシア、フィリピン、ベトナム) |
| 特定研究等活動 | 36号 | 法務大臣が指定する機関での研究・研究の指導・教育 |
| 特定情報処理活動 | 37号 | 法務大臣が指定する機関での情報処理に係る業務 |
| 製造業外国従業員 | 42号 | 外国にある事業所の職員が、日本の生産拠点で製造業務に従事 |
| 本邦大学卒業者 | 46号 | 日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む、常勤の職員としての就労 |
| スキーインストラクター | 50号 | スキーの指導に従事する活動 |
| デジタルノマド | 53号 | 国際的なリモートワーク |
| 特定自動車運送業準備 | 55号 | 自動車運送業分野の「特定技能1号」になるための準備 |
起業・高度人材に関するもの
| 類型 | 告示番号 | 概要 |
|---|---|---|
| 高度専門職外国人の就労する配偶者 | 33号、33号の2 | 高度専門職外国人と同居する配偶者の就労 |
| 外国人起業家 | 44号 | 外国人起業活動促進事業に基づく起業準備活動(いわゆるスタートアップビザ) |
| 未来創造人材(J-Find) | 51号 | 対象大学を卒業した方の就職活動・起業準備活動 |
家族に関するもの
| 類型 | 告示番号 | 概要 |
|---|---|---|
| 高度専門職外国人又はその配偶者の親 | 34号 | 7歳未満の子の養育、妊娠中の方への支援など |
| 日系4世 | 43号 | 日本文化・日本の生活様式の理解を目的とする活動 |
| 各類型の配偶者・子 | 7号、38号、45号、47号、52号、54号など | 本体の類型で在留する方の配偶者・子としての活動 |
その他
| 類型 | 告示番号 | 概要 |
|---|---|---|
| 家事使用人 | 1号、2号、2号の2〜2号の4 | 外交官等や高度専門職外国人等に雇用される家事使用人 |
| 台湾日本関係協会職員及びその家族 | 3号 | 台湾日本関係協会の本邦の事務所の職員と家族 |
| 駐日パレスチナ総代表部職員及びその家族 | 4号 | 駐日パレスチナ総代表部の職員と家族 |
| アマチュアスポーツ選手 | 6号 | 本邦の機関に雇用されて行うアマチュアスポーツ選手としての活動 |
| 国際仲裁代理 | 8号 | 外国弁護士による国際仲裁事件・国際調停事件の手続の代理 |
| 医療滞在とその同伴者 | 25号、26号 | 入院して医療を受ける活動と、その方の世話をする活動 |
| 観光・保養を目的とする長期滞在者 | 40号、41号 | 1年を超えない期間の観光・保養(いわゆるロングステイ)と同行する配偶者 |
上記は主な類型です。11号、32号、35号、48号、49号は削除されています。類型の全体と最新の内容は、告示の本文でご確認ください。
デジタルノマド(告示53号)
デジタルノマド(特定活動告示53号)は、国際的なリモートワーク等を目的として、6か月を超えない期間、日本に滞在する方のための類型です。要件は出入国在留管理庁のデジタルノマドのページに公表されています。
要件
次のすべてを満たす必要があります。
- 対象の国・地域の国籍等: 日本が租税条約を締結している国・地域等で、かつ短期滞在の査証免除の対象である国・地域のうち、告示の別表第14に掲げるものの国籍等を有すること。対象は改正で増減するため、対象国・地域一覧でご確認ください
- 年収1,000万円以上: 申請の時点で、申請人個人の年収が1,000万円以上であること
- 滞在期間: この類型で日本に滞在する期間が、どの12か月をとっても6か月を超えないこと
- 医療保険への加入: 死亡、負傷および疾病に係る海外旅行傷害保険等の医療保険に加入していること(滞在予定期間をカバーするもの。傷害・疾病の治療費用補償額は1,000万円以上)
活動内容
次のいずれかの活動が対象です(日本に入国しなければ提供・販売等できないものを除きます)。
- 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体との雇用契約に基づいて、日本において情報通信技術を用いて、その団体の外国にある事業所の業務に従事する活動
- 外国にある者に対し、情報通信技術を用いて役務を有償で提供し、または物品等を販売等する活動
日本の公私の機関との雇用契約等に基づく就労活動はできません。 資格外活動許可も原則として認められません。
在留期間・在留カード
- 在留期間: 6か月(更新不可)
- 出国後6か月が経過すれば、再びこの類型で日本に滞在できます
- 在留カード: 交付対象外
配偶者・子の帯同
デジタルノマド本人の扶養を受ける配偶者・子は、告示54号により同じ「特定活動」の在留資格で帯同できます。配偶者・子には年収の要件はありませんが、査証免除の対象である国・地域(告示の別表第15。本人の対象国・地域とは範囲が異なります)の国籍等を有することと、本人と同じ医療保険の要件を満たすことが必要です。
申請の方法
申請人が日本以外の国にいる場合は、滞在地の日本国大使館・総領事館で直接査証を申請するよう案内されています(デジタルノマド向け在留資格のQ&A Q11、令和6年7月時点)。
J-Find(未来創造人材)
J-Find(未来創造人材制度)は、対象となる海外の大学等を卒業した方が、日本で就職活動または起業準備活動を行うための制度で、2023年4月に導入されました(特定活動告示51号。配偶者・子は52号)。要件は出入国在留管理庁の J-Find のページに公表されています。
対象者の要件
18歳以上であること(告示51号)のほか、以下の3つをすべて満たす必要があります。
- 対象大学の卒業: 以下の3つの世界大学ランキングのうち、2つ以上で100位以内にランクインしている大学を卒業、またはその大学の大学院の課程を修了して学位もしくは専門職学位を授与されていること
- QS World University Rankings
- THE World University Rankings
- Academic Ranking of World Universities(上海ランキング)
- 卒業等から5年以内: 学位または専門職学位を授与された日から5年以内であること
- 預貯金20万円以上: 申請の時点で、申請人の預貯金の額が日本円に換算して20万円以上あること
対象大学の一覧は出入国在留管理庁のページで公表されています。一覧は2026年1月時点のランキングに基づくため、申請の際は最新の3つのランキングも併せて確認するよう案内されています。
在留期間・活動内容
- 在留期間: 最長2年間(1年または6か月ごとに更新が必要)。継続就職活動、卒業後起業活動、外国人起業活動促進事業などの類似制度と併せて、累計2年を超えない範囲で利用できます(制度の概要資料)
- 活動内容: 就職活動、起業準備活動、およびこれらの活動を行うために必要な資金を補うための就労
配偶者・子の帯同
本人の扶養を受ける配偶者・子は、告示52号により「特定活動(未来創造人材の配偶者等)」の在留資格で帯同できます。配偶者・子の就労には資格外活動許可が必要です。
ワーキング・ホリデー
ワーキング・ホリデー制度は、二国・地域間の取決め等に基づき、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国と、滞在期間中の旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です(特定活動告示5号・5号の2)。
対象国・地域
対象となる国・地域は、取決めの追加により増えています。最新の一覧は外務省「ワーキング・ホリデー制度」でご確認ください。主な対象は、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、台湾、香港と、英国・フランス・ドイツをはじめとする欧州の国々などです。
主な要件・特徴
査証の発給要件は国・地域によって違いがあります。外務省が示している主な要件は次のとおりです。
- 年齢: 査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(オーストラリア、カナダ、韓国およびアイルランドとの間では18歳以上25歳以下。ただし各々の政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能)
- 目的: 一定期間、主として休暇を過ごす意図を有すること
- 同伴: 子または被扶養者を同伴しないこと
- 参加回数: 以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと。ただし、一部の国・地域の方は2回の参加が可能です
- 就労: 旅行・滞在資金を補うための付随的な就労が認められます。風俗営業等に従事することはできません
- 申請先: 相手国・地域にある最寄りの日本国大使館等に査証を申請します(台湾については公益財団法人日本台湾交流協会)
EPA看護師・介護福祉士
経済連携協定(EPA)等に基づく看護師・介護福祉士候補者は、「特定活動」の在留資格で受入れ施設で就労・研修しながら、日本の国家資格の取得を目指します。
対象国
受入れは、以下の3か国との協定等に基づいています(厚生労働省の外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れのページ)。
- インドネシア(平成20年度〜)
- フィリピン(平成21年度〜)
- ベトナム(平成26年度〜)
制度の概要
- 候補者の在留: 候補者は、協定で認められる滞在の間(看護3年間、介護4年間)、受入れ施設で就労・研修します。インドネシアについては、令和8年8月の改正協定の発効等により、看護・介護とも在留期間の上限が5年に延長されています(厚生労働省、上記ページ)
- 資格取得後の在留: 資格取得後は、看護師・介護福祉士として滞在・就労が可能で、在留期間の更新回数に制限はありません
- 受入れの窓口: 国際厚生事業団(JICWELS)が唯一の受入れ調整機関とされています
- 手続: 候補者から看護師・介護福祉士への変更などの提出書類は、出入国在留管理庁の EPA 看護師・介護福祉士のページに公表されています
なお、介護福祉士の資格を取得した方が介護の業務に従事するための在留資格「介護」は、平成29年9月1日に施行されています(厚生労働省「在留資格『介護』の付与について」)。厚生労働省は、外国人介護人材の受入れの仕組みとして、EPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能の4制度を挙げています(厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」)。
当事務所のサポート
AEGIS国際行政書士事務所では、申請取次行政書士として、「特定活動」に関する次のサポートを行っております。
- 該当する類型の確認: ご予定の活動が、特定活動告示のどの類型に当たるか、他の在留資格に当たるかを整理いたします
- 要件の確認: 類型ごとの要件(国籍等、年収、学歴、保険など)について、現在の状況を確認いたします
- 申請書類一式の作成・提出代行: 在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請の手続を代行いたします
- 英語対応: 日本語が苦手な外国人の方にも、英語でご説明いたします
「どの在留資格に当たるかわからない」「告示に無い活動で申請できるか知りたい」といったご相談も承っております。まずはお気軽にご相談ください。
本記事は2026年10月16日時点の法令・公表情報に基づいています。改正や運用の変更があるため、申請の際は最新の情報をご確認ください。