再入国許可ガイド — みなし再入国との違い・申請が必要なケース・手続方法
2026年10月5日 (更新: 2026年10月16日) | 今村 文宣(行政書士)
再入国許可とは、日本に在留する外国人の方が一時的に出国し再び入国する際に、在留資格を維持したまま簡便な手続で上陸できるようにする制度です(出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)第26条)。出国の日から1年以内に再入国する場合は、多くの方が事前申請の要らない「みなし再入国許可」(入管法第26条の2)を利用できますが、1年を超える出国や特定のケースでは通常の再入国許可が必要です。
在留資格の全体像については「在留資格の種類一覧」をご覧ください。
再入国許可とは
再入国許可を受けて出国すれば、再入国時に査証(ビザ)の取得が不要となり、上陸審査も簡略化されます(入管法第6条第1項ただし書、第7条第1項柱書の括弧書)。上陸後は、従前の在留資格・在留期間が継続しているものとみなされます(入管法第9条第3項ただし書、出入国在留管理庁「再入国許可」)。
再入国許可がないとどうなるか
再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けずに出国(単純出国)した場合、それまで有していた在留資格および在留期間は消滅します。これは「永住者」であっても同様です。再び日本に入国するには、新たに査証を取得したうえで、上陸申請・上陸審査を経て上陸許可を受ける必要があります。
在留の継続と永住許可への影響
再入国許可による在留継続の効果は、永住許可申請においても重要です。永住許可の審査では、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが考慮されるため(永住許可に関するガイドライン第2の5(6))、再入国許可を利用して在留を継続させることには大きな意味があります。逆に、単純出国した場合は在留が途切れるため、それ以前の在留は「引き続き」の年数に数えられなくなります。
ただし、再入国許可を受けていれば海外にいた期間を問わないわけではありません。2026年10月1日に改定された同ガイドラインでは、2027年4月1日以降の永住許可申請について、過去10年以内に合理的な理由なく1回の出国で半年以上日本を離れた期間がある場合、または通算して2年6か月以上日本を離れた場合は、原則として消極評価とされます。永住許可を目指している方は、長期の出国を予定する段階で申請時期との関係を確認しておくことをお勧めします。詳しくは「永住許可の要件ガイド」をご覧ください。
みなし再入国との違い
出国後1年以内に再入国する場合、多くの外国人の方は「みなし再入国許可」を利用でき、事前の申請手続は不要です。ただし、有効期間の延長ができない点など、通常の再入国許可との重要な違いがあります。
| 項目 | 通常の再入国許可 | みなし再入国許可 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 入管法第26条 | 入管法第26条の2 |
| 事前申請 | 必要(地方出入国在留管理官署) | 不要 |
| 有効期間 | 最長5年(在留期間内) 特別永住者は最長6年 | 出国日から1年(在留期間内) 特別永住者は2年 |
| 海外での延長 | 可能(1回の延長は1年以内、許可が効力を生じた日から6年以内) 特別永住者は7年以内 | 不可 |
| 手数料 | 必要(1回限りと数次で異なる) | 不要 |
| 出国時の手続 | 旅券に証印済みの許可を提示 | 再入国出国記録(再入国EDカード)の、一時的な出国であり再入国する予定である旨の欄にチェック |
特別永住者の期間は、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法第23条によります。
みなし再入国許可の注意点
みなし再入国許可は、海外で有効期間を延長できません。出国後1年以内(特別永住者は2年以内)に再入国しなければ、在留資格が消滅します。在留期限が出国後1年未満に到来する場合は、その在留期限が有効期間の上限となります。
長期の海外渡航が予想される場合は、みなし再入国許可ではなく通常の再入国許可を取得してから出国してください。
申請が必要なケース
次の1〜3に当たる場合は、出国前に通常の再入国許可を受ける必要があります。4に当たる場合も、受けておくことをお勧めします。
1. 1年を超える出国が見込まれる場合
出国後1年を超えて日本を離れる予定がある場合(特別永住者は2年を超える場合)、みなし再入国許可の有効期間を超えるため、通常の再入国許可が必要です。
2. みなし再入国許可の対象外となる場合
以下に該当する方は、みなし再入国許可を利用できません(入管法施行規則第29条の4第1項各号、出入国在留管理庁「みなし再入国許可」)。
- 在留資格取消手続中の方
- 出国確認の留保対象者
- 収容令書の発付を受けている方
- 監理措置に付されている方
- 難民認定申請中の「特定活動」の在留資格で在留する方
- 日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれがあるなどとして、出入国在留管理庁長官が認定した方
3. 3か月以下の在留期間・短期滞在の場合
在留期間が「3月」以下と決定された方、および「短期滞在」の在留資格の方は、みなし再入国許可の対象外です(入管法第26条の2第1項)。
ただし例外として、有効な旅券を所持する「短期滞在」の方が指定旅客船で出国する際に、入国審査官にその指定旅客船で再び入国する意図を表明した場合は、再入国の許可を受けたものとみなされます。有効期間は出国の日から15日(在留期間の満了がそれより前に来る場合は在留期間の満了まで)で、海外での延長はできません(入管法第26条の3、入管法施行規則第29条の3)。
4. 海外で延長が必要になる可能性がある場合
海外での滞在が予定より長引く可能性がある場合は、通常の再入国許可を取得しておくことをお勧めします。通常の再入国許可であれば、有効期間内に再入国できない相当の理由があると認められる場合に、在外公館(日本大使館・領事館)で有効期間の延長の許可を受けることができます(入管法第26条第5項・第6項)。延長は1年を超えず、かつ許可の効力発生日から6年(特別永住者は7年)を超えない範囲内です。ただし、再入国許可の有効期間は在留期間の範囲内に限られます。
手続方法
通常の再入国許可申請
申請先: 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署(出入国在留管理庁「再入国許可申請」)
申請できる方:
- 本人
- 申請取次の承認を受けている所属機関の職員・旅行業者等、届出済みの弁護士・行政書士(本人から依頼を受けた場合)
- 法定代理人
- 16歳未満または疾病等で出頭できない場合は、親族・同居者等で地方出入国在留管理局長が適当と認める方
必要書類:
- 再入国許可申請書
- 旅券(提示)
- 在留カードまたは特別永住者証明書(提示)
手数料:
手数料は、1回限りの許可か数次の許可か、窓口申請かオンライン申請かによって異なり、許可されるときに納めます。窓口で申請した場合は、収入印紙で納めます。2026年10月1日以降にオンラインで申請した場合は、収入印紙は使えず、コンビニ決済または銀行決済で納め、別に決済手数料がかかります(出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」)。オンライン申請ができるのは、在留資格の変更・在留期間の更新などの申請と同時に行う場合に限られます。最新の金額は出入国在留管理庁「再入国許可申請」でご確認ください。
標準処理期間: 当日(2026年10月時点)
許可の種類:
- 1回限り有効:1回の出国・再入国に限り有効です
- 数次有効:有効期間内であれば何度でも出入国が可能です
頻繁に出入国する方には、数次有効の再入国許可の取得をお勧めします。
みなし再入国許可の利用方法
みなし再入国許可を利用する場合、事前の申請手続は不要です。出国時に以下を行います。
- 出国港で入国審査官に旅券および在留カード(特別永住者は特別永住者証明書)を提示
- 再入国出国記録(再入国EDカード)の、一時的な出国であり再入国する予定である旨のチェック欄にチェックを入れて提出し、みなし再入国許可による出国を希望することを伝える
以上で手続は完了し、出国後1年以内(特別永住者は2年以内)かつ在留期間内に再入国すれば、在留資格が維持されます。
まとめ
| 状況 | 推奨される手続 |
|---|---|
| 1年以内の出国(通常のケース) | みなし再入国許可(事前申請不要・手数料不要) |
| 1年を超える出国 | 通常の再入国許可(事前申請必要) |
| 海外滞在が長引く可能性あり | 通常の再入国許可(在外公館で延長可能) |
| みなし再入国許可の対象外 | 通常の再入国許可(事前申請必要) |
当事務所のサポート
AEGIS国際行政書士事務所では、再入国許可をはじめとする在留手続の申請取次を承っております。
- どちらの制度を使うかの確認: 出国の期間やご事情に応じて、みなし再入国許可で足りるか、通常の再入国許可が必要かを整理いたします
- 再入国許可申請の取次: 申請書を作成し、出入国在留管理庁への申請を取り次ぎます
- 永住許可申請との関係の確認: 長期の出国を予定している方について、永住許可申請の時期との関係を整理いたします
出国前の手続に不安がある方、長期の海外渡航を予定されている方は、お気軽にご相談ください。
本記事は2026年10月16日時点の法令・公表情報に基づいています。改正や運用の変更があるため、申請の際は最新の情報をご確認ください。