配偶者ビザガイド|日本人の配偶者等・永住者の配偶者等

2026年10月5日 (更新: 2026年10月11日) | 今村 文宣(行政書士)

配偶者ビザガイド|日本人の配偶者等・永住者の配偶者等

配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」)は、日本人または永住者等と婚姻した外国人の方が日本で生活するための在留資格です。就労制限がなく永住申請への道も開かれる一方、婚姻の信憑性が審査の核心となるため、交際経緯や生活実態の立証が重要になります。

在留資格の全体像については「在留資格の種類一覧」をご覧ください。

配偶者ビザとは

配偶者ビザは、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)別表第2に定められた身分系在留資格です。「経営・管理」や「技術・人文知識・国際業務」のような活動類型の在留資格とは異なり、日本において有する身分または地位に基づいて在留が認められます。

配偶者ビザには以下の2つの在留資格があります(出入国在留管理庁「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」)。

在留資格対象在留期間
日本人の配偶者等日本人の配偶者、特別養子、日本人の子として出生した者5年・3年・1年・6月
永住者の配偶者等永住者・特別永住者の配偶者、永住者等の子として本邦で出生し引き続き在留する者5年・3年・1年・6月

配偶者ビザの特徴

  • 就労制限なし:別表第2の在留資格は活動内容に制限がありません。どのような職種・業種でも就労できます
  • 上陸許可基準省令の適用なし:学歴・職歴・年収などの基準は設けられていません
  • 永住申請への優遇:日本人・永住者・特別永住者の配偶者は、通常10年の在留歴要件が緩和されます。永住許可に関するガイドライン(2026年10月1日改定)では「実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上本邦に在留」が目安で、2027年4月1日以降の申請に適用されます。2027年3月31日までの申請には、改定前のガイドラインの「婚姻3年以上+引き続き1年以上の在留」が適用されます(改定前のガイドラインは、現在は出入国在留管理庁のサイトに掲載されていません)。詳しくは「永住許可の要件ガイド」をご覧ください

日本人の配偶者等と永住者の配偶者等の違い

両在留資格はいずれも婚姻に基づく身分系在留資格ですが、対象者の範囲や「子」の要件に違いがあります。

比較項目日本人の配偶者等永住者の配偶者等
配偶者の対象日本人の配偶者永住者・特別永住者の配偶者
「子」の範囲日本人の子として出生した者(出生地不問)永住者等の子として本邦で出生し引き続き在留する者
特別養子含む含まない
養子含まない(特別養子のみ)含まない
出生地要件なし(外国で出生した場合も対象)日本で出生が要件

「配偶者」の意義

いずれの在留資格においても、「配偶者」とは法律上有効な婚姻関係にある者を指します。

  • 内縁の配偶者は含まれません
  • 死別・離婚した元配偶者は含まれません(現に婚姻中であることが必要)
  • 同性婚の配偶者は、外国で有効に成立した婚姻であっても含まれない扱いです

「子」の違いに注意

「日本人の配偶者等」における「日本人の子として出生した者」は、出生場所を問いません。外国で出生した場合も対象です。一方、「永住者の配偶者等」における子は、本邦で出生し、その後引き続き本邦に在留していることが要件です。例えば、永住者の子でも、母親が出産のために帰国するなどして外国で生まれた場合は「永住者の配偶者等」に該当しません。

申請要件

配偶者ビザの申請が認められるためには、形式的要件(法律上の婚姻の成立)と実質的要件(婚姻の実体)の両方を満たす必要があります。

1. 法律上有効な婚姻が成立していること

日本人(または永住者等)と外国人の間で、法律上有効な婚姻が成立していることが前提です。婚姻の成立は、各当事者についてその本国法によります(法の適用に関する通則法24条1項)。

  • 日本側:市区町村への婚姻届の受理
  • 外国側:相手国の法令に基づく婚姻手続の完了

申請では、双方の国で婚姻が成立していることを示す書類(日本人配偶者の戸籍謄本と、申請人の国籍国の機関が発行した結婚証明書など)を提出します(下記「必要書類」)。

2. 婚姻の実体があること

法律上の婚姻が成立しているだけでは在留資格該当性は認められません。夫婦として同居し、互いに協力し、扶助し合って社会通念上の夫婦共同生活を営むという婚姻の実体を伴うことが求められます(民法752条参照)。

入管法2条の2第2項および7条1項2号は、外国人の本邦における活動に着目して在留資格制度を構築しています。したがって、配偶者としての活動が行われていない、または行われなくなった場合には、在留資格該当性が否定されます。

3. 経済的基盤(参考要素)

婚姻生活を営むための経済的基盤は、配偶者としての活動の安定性・継続性を基礎付ける一要素として考慮されると考えられます。ただし、必須の「要件」ではありません。

  • 経済的基盤が十分でなくても、同居が長期間にわたるなど、他の要素で安定性・継続性が認められれば在留資格該当性は肯定されえます
  • 収入は、滞在費用を支弁する方の住民税の課税(又は非課税)証明書・納税証明書などで示します。この在留資格には上陸許可基準が無く、必要な収入額は法令に定められていません。世帯の人数や生活状況に応じて個別に判断されます
  • 生活保護を受給していることは、消極的な事情として考慮されることがあります

婚姻の信憑性の証明

配偶者ビザの審査で重視されるのが婚姻の信憑性(真摯性・継続性)です。申請では、交際の経緯や生活の実態を資料で説明します。

質問書の提出

申請時には出入国在留管理庁所定の「質問書」の提出が求められます(日本人の配偶者である場合の提出書類)。質問書には以下の事項を記載します。

  • 夫婦それぞれの身分事項
  • 結婚に至った経緯
  • 夫婦間の会話で使われている言語
  • 日本国内で結婚した場合の、婚姻届出時の証人2名
  • 結婚式(披露宴)を行った場合の年月日・場所
  • 双方の結婚歴
  • 申請人の来日歴、配偶者が申請人の母国を訪れた回数と時期
  • 申請人の退去強制歴(出国命令を含む)の有無
  • 夫婦の親族と、結婚を知っている親族

交流を裏付ける資料

質問書に加えて、夫婦間の交流が確認できる資料の提出も求められます。

  • スナップ写真:二人で写っており容姿がはっきり確認できるもの(2〜3枚)。アプリ加工したものは不可
  • SNS記録・通話記録:提出できるもの

詳しい説明を求められやすい場合

以下のようなケースでは、婚姻の経緯について詳しい説明や資料を求められることがあります。早い段階で資料を整えておくことをお勧めします。

夫婦の年齢差が大きい場合

年齢差が大きい場合は、婚姻の信憑性が慎重に確認される傾向があります。知り合った経緯、交際の態様、結婚を決めた理由、現在の生活状況、将来の家族計画などを、当事者にしか語り得ない具体的なエピソードとともに説明書にまとめ、写真やメッセージの記録などの裏付け資料を添えることをお勧めします。

交際のきっかけがマッチングアプリ・結婚紹介所の場合

交際の実態について説明を求められることがあります。日本人配偶者が相手国を訪れた回数、親族と会った事実、日常のやりとり、結婚式の開催などを、資料とともに示すことをお勧めします。場合によっては、申請人の親族による上申書(二人の婚姻を支持する内容)を提出することもあります。

日本人配偶者側・外国人側に離婚歴がある場合

特に前婚の婚姻期間が短い場合は、今回の婚姻の信憑性・安定性について、より丁寧な説明が必要になることがあります。

その他の留意事項

  • 外国人申請人が「興行」の在留資格を有している場合:過去の申請書との記載の整合性が確認されることがあります
  • 婚姻後も風俗営業等の職業を続ける場合:婚姻の真摯性を疑われる可能性があります
  • 同居する住居が狭い場合:ワンルームのみの場合、同居の事実を疑われることがあります

必要書類

在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)

日本人の配偶者(夫または妻)の場合の提出書類は以下のとおりです。

日本で準備する書類:

書類備考
在留資格認定証明書交付申請書出入国在留管理庁のサイトから取得可能
配偶者(日本人)の戸籍謄本(全部事項証明書)婚姻事実の記載があるもの。記載がない場合は婚姻届出受理証明書も必要
滞在費用を証明する資料直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書および納税証明書
配偶者(日本人)の身元保証書日本に居住する配偶者が身元保証人になる
配偶者(日本人)の世帯全員の住民票の写し個人番号は省略、他は省略なし
質問書出入国在留管理庁のサイトから取得可能(各国語版あり)
夫婦間の交流が確認できる資料スナップ写真2〜3枚(上記)。SNS記録・通話記録は提出できるもの
返信用封筒定形封筒に宛先を明記し、必要な額の郵便切手(簡易書留用)を貼付

海外で準備する書類:

書類備考
申請人の顔写真縦4cm×横3cm、提出の日前6か月以内に撮影(提出写真の規格)
申請人の国籍国の機関が発行した結婚証明書韓国籍の方など、国籍国で戸籍謄本が発行される場合は、お二人の婚姻が記載された戸籍謄本でも可

滞在費用の証明について: 入国後間もない場合や転居等で住民税証明書が取得できない場合は、預貯金通帳の写し、雇用予定証明書、採用内定通知書等で代替できます。

手数料: 在留資格認定証明書交付申請には手数料はかかりません。

標準処理期間: 1か月〜3か月(在留資格認定証明書交付申請、2026年10月時点)

永住者の配偶者等の場合

基本的な提出書類は「日本人の配偶者等」と同様ですが、以下の点が異なります。

  • 戸籍謄本に代えて、配偶者(永住者)および申請人の国籍国の機関が発行した結婚証明書を提出。日本の役所に婚姻を届け出ている場合は、婚姻届出受理証明書も提出
  • 身元保証人は日本に居住する配偶者(永住者)

提出書類の注意事項

  • 日本で発行される証明書は、すべて発行日から3か月以内のものを提出
  • 外国語の書類には日本語訳を添付
  • 審査の過程で追加資料が求められることがあります
  • 提出資料は原則として返却されません。再度入手することが難しい資料の原本の返却を希望する場合は、申請時に申し出が必要です

審査のポイント

審査の基準や方法の詳細は公表されていませんが、提出書類どうしの整合性は、婚姻の信憑性・継続性を判断する材料になります。申請前に、以下のような点を確認しておくことをお勧めします。書面の審査のほか、生活の実態について調査が行われることもあります。

戸籍謄本の確認

  • 配偶者の離婚事実の有無、実子の有無、養子縁組の有無等
  • 外国人との離婚・再婚が繰り返されている場合は、経緯の説明を求められることがあります
  • 認知した子がいる場合は、親子関係とあわせて婚姻の経緯の説明を求められることがあります

納税証明書の確認

  • 申請書の住居地と納税証明書上の住所が一致しているか
  • 申請人が無職とされているのに配偶者控除を受けていないなど、申請内容と食い違う記載がないか。食い違いがある場合は理由を説明します

身元保証書の確認

  • 身元保証人は、日本に居住する配偶者です(出入国在留管理庁の提出書類の案内)
  • 配偶者以外の方が身元保証人になる場合は、その経緯の説明を求められることがあります

質問書との整合性

  • 申請人と配偶者が相互に意思疎通可能な語学能力を有しているか
  • 親族一覧表の記載が不自然でないか(一部のみの記載等)
  • 結婚式に双方の親族が出席しているか
  • 他の提出資料との整合性

DV被害等のやむを得ない事情がある場合: 配偶者からの暴力(DV)の被害を受けて別居している場合や、離婚調停・離婚訴訟中の場合など、配偶者に身元保証人を頼めない事情があるときは、申請前に地方出入国在留管理局または専門家にご相談ください。

更新手続

在留期間更新許可申請では、婚姻関係の継続が確認されます。

更新時の主な提出書類

  • 在留期間更新許可申請書
  • 申請人の顔写真
  • パスポート・在留カード(原本提示)
  • 配偶者(日本人)の戸籍謄本(全部事項証明書。申請人との婚姻事実の記載があるもの)
  • 滞在費用を証明する資料(課税・納税証明書等)
  • 配偶者の世帯全員の住民票の写し
  • 配偶者の身元保証書

配偶者が変わった場合

日本人Aと婚姻し「日本人の配偶者等」の在留資格を有していた外国人が、在留期間内に離婚し別の日本人Bと婚姻した場合、在留資格は「日本人の配偶者等」のままで変わらないため、在留期限に合わせて行う手続は在留資格変更ではなく在留期間更新になります。ただし、在留資格の基礎となる婚姻が別のものになっているため、新たに配偶者ビザを申請する場合と同じ程度の資料を準備しておくことをお勧めします。

離婚時の対応

配偶者と離婚または死別した場合、速やかな届出と在留資格の対応が必要です。対応を誤ると在留資格の取消しにつながりかねません。

14日以内の届出義務

配偶者として「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格で在留する方が、配偶者と離婚または死別した場合は、14日以内に出入国在留管理庁長官への届出が必要です(入管法19条の16第3号、出入国在留管理庁「配偶者に関する届出」)。届出をしなかった場合は、罰則の対象となります(入管法71条の5第3号)。

6か月ルール(在留資格取消し)

入管法22条の4第1項7号により、配偶者の身分を有する者としての活動を正当な理由なく継続して6か月以上行わないで在留している場合、在留資格の取消しの対象となります。

離婚や死別で配偶者の身分を失った場合のほか、法律上の婚姻が続いていても、別居などにより配偶者としての活動を行っていない状態が6か月以上続いた場合も、対象になり得ます。

ただし、正当な理由がある場合は取消しの対象になりません。出入国在留管理庁は、取消しを行わない主な例として次の4つを公表しています(配偶者の身分を有する者としての活動を行わないことに正当な理由がある場合等)。

  • 配偶者からの暴力(DV)を理由として、一時的に避難または保護を必要としている場合
  • 子の養育などやむを得ない事情のために配偶者と別居しているが、生計を一にしている場合
  • 本国の親族の傷病などの理由で、再入国許可(みなし再入国許可を含む)により長期間出国している場合
  • 離婚調停または離婚訴訟中の場合

離婚後の在留資格変更

離婚後も引き続き日本に在留を希望する場合は、在留資格の変更が必要です。主な選択肢は以下のとおりです。

変更先の在留資格主なポイント
定住者(告示外)日本での在留実績、生計能力、日本人の実子の監護養育等
就労系在留資格該当する活動内容・雇用先が必要

入管法22条の5により、上記の第7号を理由に在留資格を取り消そうとする場合、法務大臣は在留資格変更申請または永住許可申請の機会を与えるよう配慮しなければなりません。出入国在留管理庁は、日本国籍の実子を監護・養育しているなどの事情がある場合には、他の在留資格への変更が認められる場合があるとしています。

離婚後の定住者変更の要件

出入国在留管理庁は、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」から「定住者」への変更が認められた事例と認められなかった事例を公表しています(「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」から「定住者」への在留資格変更許可が認められた事例及び認められなかった事例について)。判断は個別の事情を総合的に勘案して行われ、似た事例でも結論が異なることがあるとされていますが、公表された事例からは、次のような事情が考慮されていることが分かります。

  • 日本における在留年数・定着性
  • 生計を営む能力(就労実績・収入)
  • 日本人の実子を監護・養育していること(出入国在留管理庁が例として挙げている事情です)
  • 素行(有罪判決を受けていないかなど)

当事務所のサポート

AEGIS国際行政書士事務所は、申請取次行政書士として、配偶者ビザの申請手続を代行いたします。

  • 婚姻の信憑性を立証する書類作成:交際経緯説明書、質問書の作成をサポート
  • 不許可リスクの事前診断:年齢差・交際期間・離婚歴等の個別事情に応じたアドバイス
  • 在留資格認定証明書交付申請・在留期間更新許可申請の代行
  • 離婚後の在留資格変更の相談

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本記事は2026年10月11日時点の法令・公表情報に基づいています。改正や運用の変更があるため、申請の際は最新の情報をご確認ください。

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