就労資格証明書とは — 転職時に取るべきか・申請方法・企業にとっての意味

2026年10月5日 (更新: 2026年10月11日) | 今村 文宣(行政書士)

就労資格証明書とは — 転職時に取るべきか・申請方法・企業にとっての意味

就労資格証明書とは、日本に在留する外国人の方が、今の在留資格で行うことができる仕事(収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動)を、出入国在留管理庁長官が証明する文書です(出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)第19条の2第1項)。取得は任意で、なくても働けますが、転職したときに、新しい仕事が今の在留資格の範囲に入るかを、次の在留期間更新を待たずに確かめておく手段として役に立ちます。

就労系の在留資格の全体像は「就労ビザ申請ガイド」をご覧ください。

就労資格証明書とは

就労資格証明書は、外国人の方の申請に基づいて、その方が行える就労活動を具体的に示す証明書です。英語の名称は、申請書の表記で “Certificate of Authorized Employment” です。

出入国在留管理庁の就労資格証明書の解説ページは、この制度の趣旨を次のように説明しています。外国人の方が働けるかどうかは、在留カードや旅券の証印、資格外活動許可で確認できます。しかし、具体的にどのような仕事が認められているかは、入管法の別表にある各在留資格の活動を見ないと分からない場合があります。そこで、雇う側と外国人の方の双方の便宜のため、外国人の方が希望すれば、行える就労活動を具体的に示した証明書を交付できることにした、というものです。

就労の許可書ではない

就労資格証明書は、働くことを許可する文書ではありません。同じ解説ページは、働けるかどうかは在留資格の種類と資格外活動許可の有無で決まるため、就労資格証明書自体は就労活動を行うための許可書ではなく、これがなければ働けないというものでもない、としています。

つまり、新しい仕事が今の在留資格の範囲に入らない場合、就労資格証明書を申請しても、その仕事ができるようになるわけではありません。その場合に必要になるのは、在留資格変更許可申請(または資格外活動許可)です。

取得は義務か任意か

取得は任意です。入管法第19条の2第1項は「申請があつたときは」交付することができると定めており、外国人の方が希望する場合に交付される仕組みです。

出入国在留管理庁の出入国審査・在留審査Q&A(Q68)も、就労資格証明書の交付を受けていないと働けないというものではなく、雇う際は、就労できる在留資格や資格外活動許可を旅券の証印や在留カードなどで確認できれば十分だとしています。

提示しないことを理由に不利益に扱ってはならない

入管法第19条の2第2項は、外国人の方が行える就労活動が明らかな場合に、就労資格証明書を提示または提出しないことを理由として、雇用などに際して不利益な取扱いをしてはならないと定めています。企業様が採用の条件として一律に就労資格証明書を求めることは、この規定との関係で注意が必要です。

どんなときに取っておくと役に立つか

就労資格証明書が特に役立つのは、在留期間の途中で転職し、次の在留期間更新までまだ間がある場合です。

転職したとき

「技術・人文知識・国際業務」や「技能」などの在留資格の方が転職しても、転職先での仕事が今の在留資格の活動に入っていれば、在留資格を変える必要はありません。

ただし、転職先での仕事がその範囲に入るかどうかは、ご本人や企業様だけでは判断しにくいことがあります。上の Q&A(Q36)は、在留期限が2年先で、転職先の仕事が前と同じような内容であっても、今の在留資格で行える活動に入るかを確かめたい場合は、就労資格証明書の交付申請で証明を受けられるとしています。

次の在留期間更新との関係

在留期間更新許可申請は、6か月以上の在留期間がある方の場合、在留期間が満了する3か月前から受け付けられます(出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」)。転職した時点で満了まで3か月を超えて残っていると、まだ更新の申請はできません。

次の更新では、転職後の仕事が審査されます。たとえば「技術・人文知識・国際業務」では、カテゴリー3または4の企業等に転職した後の初回の更新で、通常の書類に加えて、活動の内容を明らかにする資料(労働条件を明示する文書など)、登記事項証明書、事業内容を明らかにする資料、直近の年度の決算文書の写しなどの提出を求めています(出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」)。

当事務所としては、転職時点で更新の申請がまだできない場合は、就労資格証明書の申請で転職先の仕事について先に判断を受けておくことをお勧めしています。新しい仕事が在留資格の範囲に入らないことが更新のときに初めて分かると、それまでの就労が問題になるおそれがあるためです(後述)。ただし、在留期間の更新は「更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるとき」に許可されるものであり(入管法第21条第3項)、就労資格証明書の交付を受けていても、次の更新が約束されるわけではないと考えています。

転職時点で更新の申請ができる時期に入っている場合は、上の Q&A(Q35)のとおり、転職後の仕事が今の在留資格の活動と変わらなければ在留期間更新許可申請を、変わる場合は在留資格変更許可申請を、在留期限までに行います。

転職のときの届出は別に必要

就労資格証明書の申請とは別に、「技術・人文知識・国際業務」などの方は、前の勤務先との契約が終わったときと新しい勤務先と契約したときに、それぞれ14日以内に出入国在留管理庁長官へ届け出る義務があります(入管法第19条の16、出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」)。就労資格証明書は任意ですが、この届出は義務です。

申請できる人

申請できるのは、日本で働くことが認められている外国人の方です。出入国在留管理庁の就労資格証明書交付申請のページの審査基準は、次のいずれかに当たることとしています。

  • 入管法別表第一の在留資格のうち、就労できる在留資格を持っている
  • 就労できない在留資格(「留学」「家族滞在」など)を持ち、資格外活動許可を受けている
  • 就労に制限のない在留資格(「永住者」「定住者」など)を持っている

同じページの必要書類の案内では、特別永住者の方も申請できるものとして扱われています。

誰が窓口に出すか

申請書を出せるのは、申請人本人のほか、本人の法定代理人と、取次者です。取次者には、地方出入国在留管理局長の承認を受けた勤務先などの職員や、地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士・行政書士で申請人から依頼を受けた者が含まれます。

申請の方法

申請先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。上の Q&A(Q37)は、勤務先の所在地を管轄する官署では申請できないとしています。オンラインでも申請でき、外国人本人(中長期在留者で15歳以上の方。マイナンバーカードが必要です)や、届出をした行政書士なども利用できます(出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続」)。

申請書の様式は入管法施行規則(以下「施行規則」)で定められています(施行規則第19条の4第1項、別記第29号の5様式)。申請書では、在留資格や在留期間のほか、証明を希望する活動の内容、就労する期間、使用目的を書きます(申請書の記載例(PDF))。

手数料は、交付を受けるときに納めます。窓口で申請した場合は、収入印紙で納めます。2026年10月1日以降にオンラインで申請した場合は、収入印紙は使えず、コンビニ決済または銀行決済で納め、別に決済手数料がかかります(出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」)。金額は窓口とオンラインで異なります。最新の金額は、上の就労資格証明書交付申請のページとこのお知らせでご確認ください。

標準処理期間は、2026年10月時点で「当日(勤務先を変えた場合などは1か月〜3か月)」とされています。

必要書類の考え方

必要書類は、就労の許可を受けてから勤務先や仕事の内容が変わったかどうかで分かれます。変わった方は、新しい勤務先や仕事の内容の詳細が分かる書類が加わります。

勤務先や仕事の内容が変わった方(転職した方など)

書類備考
就労資格証明書交付申請書出入国在留管理庁の様式
在留カード提示。本人以外が申請する場合は、本人に写しを持たせ、来庁する方が在留カードを持参
旅券または在留資格証明書提示。提示できない場合は理由書
資格外活動許可書交付を受けている方だけ提示
身分を証する文書等取次者が申請書類を出す場合に提示
新しい勤務先や仕事の内容の詳細が分かる書類転職などで変わった方だけ

勤務先や仕事の内容が変わっていない方、就労に制限のない在留資格の方、特別永住者の方は、最後の書類を除いた書類で申請します(特別永住者の方は在留カードに代えて特別永住者証明書)。

「新しい勤務先や仕事の内容の詳細が分かる書類」として何を出すかは、ページに具体的な指定がありません。証明を求める仕事が今の在留資格の範囲に入ることを、審査する側が判断できる資料を選ぶことになります。当事務所では、雇用契約や労働条件の内容、担当する業務の具体的な内容、勤務先の事業内容が伝わる資料を、在留資格に応じて整理してご用意いただくことをお勧めしています。

取らなかった場合に何が起きうるか

就労資格証明書を取らないこと自体に罰則はありません。問題になりうるのは、新しい仕事が、実は今の在留資格の範囲に入っていなかった場合です。

  • 外国人の方: 在留資格の範囲に入らない仕事で報酬を受けることは、資格外活動許可を受けていない限り禁じられています(入管法第19条第1項)。違反は刑事罰の対象になりえます(入管法第73条、専ら行っていると明らかに認められる場合は第70条第1項第4号)。また、在留資格に応じた活動を行わずに他の活動を行っている場合は、正当な理由がある場合を除き、在留資格の取消しの対象になりえます(入管法第22条の4第1項第5号)
  • 次の更新: 転職後の仕事が在留資格に当たらないと判断されれば、在留期間の更新が許可されないおそれがあります

就労資格証明書は、こうした事態を、転職の時点で避けるための確認の手段だと当事務所は考えています。

雇う企業にとっての意味

企業様にとって、就労資格証明書は、採用する外国人の方が自社で予定している仕事に就けるかを、出入国在留管理庁の判断として確認できる文書です。

在留カードだけでは判断しにくい場合に使う

上の Q&A(Q67)は、採用にあたっては旅券や在留カードなどで在留資格を確認し、就労系の在留資格の方は、従事させようとする業務がその在留資格に当たれば雇用できるとしています。そのうえで、判断が難しい場合は就労資格証明書交付申請で確認できるとしています。

就労系の在留資格の場合、自社で予定している仕事がその在留資格の活動に入るかどうかは、在留カードの記載だけでは分からないことがあります。上の解説ページも、具体的にどのような活動が認められているかは、入管法の別表を参照しないと分からない場合があるとしています。

不法就労助長罪との関係

事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者は、不法就労助長罪として処罰の対象になります(入管法第73条の2第1項第1号)。雇った方の仕事が在留資格に応じた活動に属しないことを知らなかったとしても、そのことを理由に処罰を免れることはできず、例外は過失がないときに限られます(同条第2項)。

在留資格と仕事の関係が微妙な方を中途採用する場合には、入社の時期に合わせて、ご本人に就労資格証明書の申請を勧めることを、当事務所はひとつの方法として考えています。ただし、取得はご本人の任意であり、行える就労活動が明らかな場合に、提示しないことを理由に不利益に扱うことはできない点(入管法第19条の2第2項)にご注意ください。

中途採用する外国人の方の在留資格の詳しい要件は、「技術・人文知識・国際業務ビザガイド」と「在留資格の種類」もご覧ください。

当事務所のサポート

AEGIS国際行政書士事務所では、転職される外国人の方と、外国人の方を採用する企業様の双方から、就労資格証明書の申請のご相談を承っております。

  • 転職先の仕事と在留資格の確認: 転職先での業務内容が、今の在留資格の活動に入るかを整理いたします。入らない可能性がある場合は、在留資格変更許可申請の要否もあわせて検討いたします
  • 申請書類の作成と申請取次: 就労資格証明書交付申請書を作成し、業務内容を説明する資料の準備をお手伝いしたうえで、出入国在留管理庁への申請を取り次ぎます
  • 転職時の手続全体の整理: 所属機関に関する届出の期限や、次の在留期間更新の時期を含めて、転職に伴う手続を整理いたします
  • 企業様の採用時の確認: 採用予定の方の在留資格と予定している業務の関係を確認し、就労資格証明書の活用を含めた対応をご提案いたします

転職が決まった方、外国人の方の中途採用を予定されている企業様は、お気軽にご相談ください。

本記事は2026年10月11日時点の法令・公表情報に基づいています。改正や運用の変更があるため、申請の際は最新の情報をご確認ください。

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