家族滞在ビザガイド|対象者・申請要件・就労制限・更新手続を解説

2026年10月5日 (更新: 2026年10月11日) | 今村 文宣(行政書士)

家族滞在ビザガイド|対象者・申請要件・就労制限・更新手続を解説

在留資格「家族滞在」は、技術・人文知識・国際業務、経営・管理、留学など、対象となる在留資格で日本に在留している外国人の方の配偶者または子が、扶養を受けて日本に滞在するための在留資格です。特定技能1号や技能実習など、対象にならない在留資格もあります。原則として就労はできませんが、資格外活動許可(包括許可)を受けると、1週について28時間以内のアルバイトが可能になります。

在留資格の全体像については「在留資格の種類一覧」をご覧ください。

家族滞在とは

在留資格「家族滞在」は、一定の在留資格をもって日本に在留する外国人の方の扶養を受ける配偶者または子のための在留資格です(出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)別表第一の四の表)。

「家族滞在」に該当する活動は、扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動です。「家族滞在」の在留資格では、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動を行うことはできません(入管法第19条第1項第2号)。就労する場合には、あらかじめ資格外活動許可を受ける必要があります。

在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)です(出入国在留管理庁 在留資格「家族滞在」)。

「家族滞在」と他の在留資格との違い

「家族滞在」は、いわゆる身分系在留資格(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」)と混同されやすいですが、大きく異なります。

項目家族滞在日本人の配偶者等
根拠入管法別表第一の四の表入管法別表第二
誰の家族か就労・留学等の在留資格で在留する外国人日本人
就労原則不可(資格外活動許可が必要)就労活動に制限なし

「家族滞在」は、対象となる在留資格で在留する方の「扶養を受ける配偶者又は子」であることを前提とする在留資格です。扶養者が日本での在留を終えた場合は、「家族滞在」の活動を続けることができなくなります。

対象となる家族

「家族滞在」の対象は、配偶者と子に限られます。親(父母)や兄弟姉妹は、「家族滞在」の対象ではありません。

扶養者の在留資格

「家族滞在」の対象は、次の在留資格をもって在留する方の扶養を受ける配偶者または子です(入管法別表第一の四の表)。

  • 教授、芸術、宗教、報道(別表第一の一の表)
  • 高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号(別表第一の二の表)
  • 文化活動(別表第一の三の表)
  • 留学(別表第一の四の表)

「外交」「公用」「特定技能1号」「技能実習」「研修」「短期滞在」「特定活動」などは、この列挙に含まれていません。2027年4月1日からは、改正後の入管法(令和6年法律第60号)により、新しく設けられる「育成就労」と「企業内転勤」第2号(技能等の修得)も対象から除かれる予定です。なお、外国人の扶養を受ける配偶者・子として行う日常的な活動を指定されて、「特定活動」の在留資格で在留する場合があります(出入国在留管理庁「資格外活動許可について」)。

配偶者の範囲

条文は「配偶者」と定めています。当事務所は、法律上の婚姻が有効に成立し、現に存続していることが前提になると考えています。内縁関係など、法律上の婚姻に当たらない場合の取扱いは、個別に確認が必要です。

子の範囲

条文は「子」と定めており、「日本人の配偶者等」(「日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者」)のように養子を特別養子に限る文言はありません。年齢の上限も条文には定められていませんが、扶養を受けていることが要件です。

配偶者と子以外の家族を呼び寄せたい場合

親などを日本に呼び寄せたい場合、「家族滞在」は利用できません。他の在留資格の対象になるかどうかは、個別の事情によります。

申請要件

海外から呼び寄せる場合、「家族滞在」は、在留資格に該当する活動であることに加えて、上陸許可基準に適合することが必要です(入管法第7条第1項第2号)。

扶養を受けること

「家族滞在」は、扶養者の扶養を受ける配偶者または子であることが要件です。このため、申請では、扶養者との身分関係と、扶養者の職業・収入(扶養者が就労していない場合は、預金残高や奨学金など、申請人の生活費用を支弁できること)を書類で示します。

上陸許可基準

上陸許可基準を定める省令(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令。以下「基準省令」)は、「家族滞在」について、申請人が次の在留資格をもって在留する者の「扶養を受けて在留すること」と定めています。

  • 別表第一の一の表・二の表の在留資格、または「文化活動」
  • 「留学」: 留学の基準の第1号イまたはロに該当するものに限られます。大学・これに準ずる機関・高等専門学校・専修学校の専門課程などに入学して教育を受ける場合(専ら日本語教育を受ける場合などを除く)や、夜間において授業を行う大学院の研究科で教育を受ける場合です

つまり、専ら日本語教育を受ける留学生や、高等学校・中学校・小学校で教育を受ける留学生の扶養を受ける家族は、この基準に当たりません。

必要書類

在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ):

  1. 在留資格認定証明書交付申請書
  2. 写真1葉(規格を満たすもの)
  3. 返信用封筒(簡易書留用の郵便切手を貼付)
  4. 申請人と扶養者との身分関係を証する文書(次のいずれか)
    • 戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書(写し)、出生証明書(写し)、これらに準ずる文書
  5. 扶養者の在留カードまたは旅券の写し
  6. 扶養者の職業および収入を証する文書
    • 扶養者が収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行っている場合: 在職証明書または営業許可書の写し等、住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書
    • それ以外の場合: 扶養者名義の預金残高証明書、給付金額・給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書、またはこれらに準ずるもので申請人の生活費用を支弁できることを証するもの

提出書類は、出入国在留管理庁の在留資格「家族滞在」のページに掲載されています。日本で発行される証明書は発行日から3か月以内のものを提出し、外国語の書類には日本語の訳文を添付します。審査の過程で、これ以外の資料を求められることがあります。

審査期間

出入国在留管理庁が公表している在留資格認定証明書交付申請の標準処理期間は、1か月〜3か月です(2026年10月時点)。

子の呼び寄せについての当事務所の見解

子の年齢が高い場合や、扶養者が入国してから時間が経って子を呼び寄せる場合は、次の点を説明できるように準備することをお勧めします。

  • 日本での活動が、就労ではなく「扶養を受ける子として行う日常的な活動」であること
  • これまで本国で誰が養育していたか、なぜ今呼び寄せるのか

就労制限と資格外活動

「家族滞在」の在留資格では、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動を行うことはできません(入管法第19条第1項第2号)。就労するためには、資格外活動許可(入管法第19条第2項)を受ける必要があります。

資格外活動許可の種類

資格外活動許可には、包括許可と個別許可があります(出入国在留管理庁「資格外活動許可について」)。両方の許可を受けることも可能です。

包括許可

「家族滞在」の在留資格の方は、次の範囲で包括許可の対象になります(入管法施行規則第19条第5項第1号)。

  • 1週について28時間以内の、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動
  • 風俗営業等が営まれている営業所で行う活動などは除かれる
  • 出入国在留管理庁は「いわゆるアルバイト的な活動が想定されます」としています
  • 必要書類は申請書のみ

施行規則は、「留学」の在留資格の方について、長期休業期間中は1日について8時間以内とする特則を置いていますが、「家族滞在」にはこの特則がありません。通年で1週について28時間以内です。

個別許可

包括許可の範囲外の活動は、活動を行う機関の名称・業務内容などを定めて個々に許可されます。出入国在留管理庁は、「家族滞在」について次のように案内しています(「家族滞在」の在留資格に係る資格外活動許可について)。

  • 個人事業主として活動する場合など、客観的に稼働時間を確認することが困難な場合は、個別許可が必要(個人事業主として配達などを受注する活動でも、稼働時間を客観的に確認できるものは包括許可で足ります)
  • 業務委託契約・請負契約等で、標準的に従事することとなる労働時間が明確でない場合は、個別許可が必要
  • 個別許可では、その活動に従事する期間が、在留期間の過半を超えないことが求められる

就労にあたっての注意点

事業の運営と「経営・管理」

出入国在留管理庁は、資格外活動としての事業の運営について「単独で比較的小規模な事業の運営を行う場合等を想定しているもの」とし、新たに法人を設立する場合、従業員を雇用する場合、事業所を設けて活動する場合などは、「経営・管理」の在留資格への変更が必要としています。また、活動内容・契約内容からみて在留目的が実質的に変更されていると判断される場合は、在留資格変更許可の手続が必要です。

「扶養を受ける」ことの維持(当事務所の見解)

「家族滞在」は扶養を受けることを前提とする在留資格です。資格外活動による収入が増え、扶養を受けているとはいえない状態になると、在留期間の更新などに影響する場合があると当事務所は考えています。

資格外活動許可の申請

出入国在留管理庁の資格外活動許可申請の案内によると、次のとおりです(2026年10月時点)。

  • 申請先: 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
  • 必要書類: 資格外活動許可申請書、活動の内容を明らかにする書類(許可の種類による)、在留カード・旅券(提示)
  • 手数料: かかりません
  • 標準処理期間: 2週間〜2か月

家族滞在から他の在留資格への変更

高等学校卒業後に就労を希望する場合(「定住者」「特定活動」への変更)

父母に同伴して「家族滞在」で入国し、高等学校を卒業した後に日本での就労を希望する場合、一定の要件を満たすと、「定住者」または「特定活動」への在留資格の変更の対象となる場合があります(出入国在留管理庁の案内)。資格外活動許可の範囲(1週につき28時間)を超えて就労する場合が対象です。

  • 「定住者」への変更: 日本の義務教育を修了していること、日本の高等学校を卒業していること(卒業見込みを含む)、入国後引き続き「家族滞在」で在留していること、入国時に18歳未満であること、就労先が決定(内定を含む)していること、住居地の届出等の公的義務を履行していること
  • 「特定活動」への変更: 日本の高等学校を卒業していること(卒業見込みを含む。高等学校に編入している場合は、日本語能力試験N2程度の日本語能力も必要)、扶養者が身元保証人として在留していること、入国後引き続き「家族滞在」で在留していること、入国時に18歳未満であること、就労先が決定(内定を含む)していること、公的義務を履行していること

どちらも、「家族滞在」以外の在留資格(「留学」など)で在留している方で、「家族滞在」に当たる立場にある方も対象になります。

更新手続

「家族滞在」の在留期間を更新するには、在留期間の満了する日までに在留期間更新許可申請を行います。

更新で示すこと

更新の申請では、引き続き次の状態にあることを書類で示します。

  • 扶養者が対象となる在留資格をもって日本に在留していること
  • 申請人が扶養者の扶養を受ける配偶者または子であること
  • 扶養者の職業・収入(または生活費用を支弁できること)

必要書類

  1. 在留期間更新許可申請書
  2. 写真1葉
  3. 旅券および在留カード(提示)
  4. 申請人と扶養者との身分関係を証する文書
  5. 扶養者の在留カードまたは旅券の写し
  6. 扶養者の職業および収入を証する文書(在留資格認定証明書交付申請と同じ区分)

扶養者の在留が終了した場合

扶養者が帰国するなどして「家族滞在」の活動を行わなくなった場合、在留期限が残っていても、在留資格の取消しの対象となる場合があります。対象になるのは、その活動を継続して3か月以上行わないで在留している場合(入管法第22条の4第1項第6号)と、その活動を行わずに他の活動を行い、または行おうとして在留している場合(同項第5号)で、いずれも正当な理由がある場合を除きます。

このような場合は、他の在留資格への変更を早めにご検討ください。

配偶者に関する届出

配偶者として「家族滞在」の在留資格をもって在留する方が、配偶者と離婚または死別した場合は、14日以内に出入国在留管理庁長官への届出が必要です(入管法第19条の16第3号、出入国在留管理庁「配偶者に関する届出」)。この届出義務に違反した場合の罰則として、20万円以下の罰金が定められています(入管法第71条の5第3号)。

当事務所のサポート

AEGIS国際行政書士事務所は、申請取次行政書士として、「家族滞在」の申請をサポートしております。

  • 対象・要件の確認: 扶養者の在留資格と家族関係から、「家族滞在」の対象になるかを整理いたします
  • 申請書類一式の作成・提出代行: 在留資格認定証明書交付申請、在留期間更新許可申請、資格外活動許可申請の手続を代行いたします
  • 他の在留資格への変更: 高等学校卒業後の就労や、扶養者の在留終了後の在留資格についてご相談いただけます

「家族滞在」についてご不明な点がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

本記事は2026年10月11日時点の法令・公表情報に基づいています。改正や運用の変更があるため、申請の際は最新の情報をご確認ください。

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